☆ 演技のコンディションを整えるスタジオ。

 LIFE WORKS studio(ライフワークス スタジオ)は、
 利重剛が主宰する、俳優のためのチューンナップスタジオです。

 今まで、いくつかの俳優ワークショップに講師として呼ばれて利重が感じたことは、
ひとりひとりの面倒を見てあげる時間が足りないこと。
 短いシーンをやっても、とりあえず最後まで通せるようにするのが精いっぱいで、
演技のバリエーションをいろいろ試したり、繊細に細部をまとめあげていく時間が持てずに終わることがほとんど。下手な子は下手なままだし、せっかく良い素質を持った子がいても、それをちゃんと伸ばしてあげることが出来ずに、もどかしい思いをすることばかりでした。
 もちろん、そういうワークショップにも、いろんな監督に顔見せができるとか、貴重な話が聞けて楽しいとか、良い部分はあるだろうけれど、本来の目的はあくまでも、自分の演技の幅を広げることのはずです。
 もう少し時間をかけて、演技についてじっくり考えたり、思う存分試行錯誤をさせて特長を伸ばしてあげられる場所があれば、という想いがありました。







 また、最前線で活躍する俳優たちも、時間が足りないという悩みを抱えています。
 経費削減で、年々余裕がなくなる撮影日数。考えてきたいくつかの演技のバリエーションを見せる時間も無く、テスト1回、即本番、噛まなければOK、というような現場が増えてきている中、俳優は、どうやって自己を高みに置き続けることができるのでしょう?
 高い能力がありながら、それを出し切ることを求めてもらえないのは、大きな不幸です。
 現場で話し合いながら作り上げていく時間が少ない以上、事前にどれだけ役について考え、準備していくかは、自分にかかっているのです。「こんなもんだろう」という囁きに負けて手を抜いてしまえば、堕落は一瞬です。それでOKが出てしまった後の自己嫌悪は、俳優にとって、地獄以外のなにものでもありません。
 しかし、低い方に流れて行ってしまわないように心を強く保ち、錆びつかないように能力をキープし続けるのは、独りでは困難です。志を同じくし、お互いを高め合える仲間が必要です。

   いつでもトップギアに入れられるよう、常にエンジンをアイドリング状態にしておくため。
   いつのまにか付いてしまっている垢を落とすため。
   自分の課題を明確にして、乗り越えていくため。
   新しい可能性を求め、果敢に挑戦し、積極的に失敗してみるため。
   「なぜ俳優なのか」という、自分にとっての理由と向き合うため。
   驚きがあり目が離せない芝居、人の感情を揺さぶる芝居、誰も見たことのない奇跡の一瞬を、いつまでも求め続けるため。

 そういう場所を作りたくて、このスタジオを始めてみることにしました。
 「ワークショップ」ではなく「スタジオ」としたのは、受け身な姿勢で臨んで欲しくないからです。
 自分が、自分のために、自分を高めるための整備工場。それがライフワークススタジオです。

☆ こぢんまりと。丁寧に。親身に。

 スタジオが用意することはシンプルです。
 ひとりひとりに合わせて、課題を明確にし、そのためのテキストを用意し、アドバイスする。みんなで同じテキストという画一的なものにはしない。基礎や発声を全員でやるようなこともない。やりたい人はそれぞれ自主トレでやればいい。独自のメソッドを教えたりすることもない。誰もに有効なメソッドなどありえないから。大事なのは、自分に合ったメソッドを見つけ出すこと。 
 俳優が必要とするのは、演技を教えてくれる先生ではなく、芝居を見て真摯にアドバイスをくれる人間だと思います。試行錯誤につきあい、一緒に考えてくれる相談相手。それをやりたいと思います。 

 このスタジオには、派手なことはなにもありません。第一線の監督たちが代わる代わるにゲスト講師でやってくることもなければ(もちろん、知り合いは多いから、ちょくちょく遊びに来てくれると思うけれど)、ここに通ったからといってオーディションのチャンスが増えるわけでもない。けれど、確実に「その人のためになる」スタジオにするつもりです。
 客観的に自分の芝居を見られるよう、カメラとモニターを常備し、今やった芝居が見られるようにしておくことはもちろん、名刺代わりのデモリールを作りたいという人がいれば、その相談にも乗ります。

 参加人数は、最大で16人。それが丁寧に対応してあげられる限界だと思うから。
とてもこぢんまりとした、しかし、とても強力な集まりを作れればと思っています。

☆ 場所は横浜。中華街のど真ん中。


    横浜市が助成しているアーティスト向けレジデンス『八○○中心』。
    その最上階スペースを、週一回、スタジオとして使用しています。
    ロケーションもアクセスも抜群。
    心浮き立つ街のど真ん中にある、実に味のある建物です。
    横浜は、昔も今も、最高に魅力的な街です。

☆ ショートフィルム製作&上映

images.jpeg 俳優たちと一緒に練り上げたテキストやエチュードを、利重のライフワークでもある短編連作『Life works』として、定期的に製作していきます。(ただし、スタジオ参加メンバーが必ず全員出演できることを保証するものではありません)

 年間12本製作。横浜のミニシアター、シネマ・ジャック&ベティと横浜シネマリンで、毎月新作を上映中です。